1714年。ステュアート朝の最後の女王”アン女王”の崩御後、ドイツから迎えられた”ジョージ1世”が王位を継承し、グレートブリテン王国の国王として即位しました。
これが1901年まで続く”ハノーヴァー朝”の始まりです。
ジョージ1世の即位後、それまで絶対的な権力を持っていた王室から、徐々に、権力は議会へと移っていきます。
それにより、議会政治にかかわる階層や職業に就く人が、富を獲得するようになりました。
さらに、植民地の広大、人口の増加、産業革命と、国が力をつけていくと同時に、家具やインテリアの分野においても活気がでてきました。
ヨーロッパの列強国の中で、芸術面・文化面で遅れをとっていたイギリスですが、ここにきて、家具生産の黄金期を迎えます。
ジョージ1世、ジョージ2世、ジョージ3世による治世の時代(1714年から1820年)における建築やデザインの様式を『ジョージアン様式』といいます。
ジョージアン様式は、期間も100年以上と長く、その間に様式も変化していることから、大きく2つに分けられます。
ジョージ1世、ジョージ2世を『アーリー・ジョージアン様式』といい、ジョージ3世の時代を『ミッド・ジョージアン様式』といいます。
ここでは、家具生産の栄華を極めた『ジョージアン様式』の家具のデザインについてご紹介します。