History of Cabinet
キャビネットの歴史と物語
Story
キャビネットとは本来、一族や家に代々受け継がれる肖像画や絵画、貴重品などを飾りしまっておく「小部屋」のことをいいました。
1600年の東インド会社の設立を経て、1660年チャールズII世の王政復古も伴い、磁器や陶器などを蒐集し飾ることが流行しました。さらに17世紀初頭よりわずかに始まった英国内でのガラス製造が、ガラス工人ジョージ・レイヴンズクロフトによるクリスタルガラスの誕生や工場生産が始まり供給が安定したことも重なり、チャイナといわれる磁器などを飾るキャビネットという名称をもつガラス戸棚が頻繁に製造されるようになりました。
ガラスを木枠で囲み扉や本体を作るには大変精巧な仕事が要求されるため、英国において現在でも家具作りのことを総称してキャビネット・メイキングというのはその由縁です。
The kinds of Cabinet
キャビネットの種類・ブランド・メーカー
カクテルキャビネット
名のとおりカクテルを作るための収納キャビネットです。
外見はキャビネットのデザインですが扉を開くと扉がカウンターになりカクテルを作ることができます。ウィスキーやブランデー、グラスを収納できる棚がついています。
コーナーキャビネット
部屋のコーナー(角)に置くためのキャビネットです。
背面が三角形になっており、部屋の角にぴったりフィットします。
ディスプレイキャビネット
お気に入りのグラスやカップ&ソーサーを飾るためのディスプレイキャビネット。
ガラス扉のタイプがほとんどで、中板もガラス。その名の通り、陶器などをディスプレイするための家具です。
ウォールキャビネット
壁に掛けるために作られていますが、カウンターやテーブルの上に置いてもお使いいただける小さなキャビネットです。
キャビネットの特徴・機能と使用方法
英国では様々なライフスタイルにあわせたキャビネットが作られてきました。
カクテルキャビネット・ベッドサイドキャビネット・コーナーキャビネット・レコードキャビネット・ベッドサイドキャビネットなど、その用途に合わせた専用家具として使用されています。
How to use Cabinet
キャビネットの活用術
生活の習慣が変わった現代では、ご用途に合わせてお客様流にアレンジしてお楽しみいただけるものとなっています。使い方は無限大といっても過言ではありません。
①キッチンキャビネットはアレンジが楽しいアイテムです。
②スモールキャビネットはナイトスタンドとしても大活躍。
③ティータイムのためのお気に入りの食器を収納
④エントランス、リビングなど、どこに置いても映えます。
Key points of choosing Cabinet
キャビネットを選ぶポイント
①楕円形ミラー
②長方形ミラー
③細部まで施された彫刻
④ツイストレッグ
キャビネットはさまざまな用途に合わせて作られているので、デザインもサイズも多種多様です。
ご用途に合ったキャビネットを是非見つけ出してみてください。
Key points of repairing Cabinet
キャビネットの修理ポイント
アンティーク家具の魅力の一つが1点物であること。そして特注品を含めて個性に合わせてオーダーメイドしたストーリーが魅力です。
① 扉のこだわり
重要な可動部分になる為、ゆがみ・伸びなどで変形した蝶番は全て外し打ち直して修理しています。
また扉自体に反り・ねじれがある場合は、開閉に問題がないように隙間・角度の調整を行っています。
隙間は上下左右で他の部分にスレたりしないよう均等に。閉めた扉が自然に開いてきたりしないようにマグネットキャッチを採用しています。
鍵穴があるものに関しては必ず1本(以上)鍵を付属させています。その際、鍵が紛失している家具にはアンティークキーの中から合うものを探し出します。合うものがない場合はシリンダーに合わせ鍵を切削加工します。シリンダー本体が壊れている場合もアンティークの在庫から合うものを探し出し実際に使えるように取り付けを行っています。
② 抽斗(ひきだし)のこだわり
すべりを良くするのはもちろん、側板の摩耗した部分に新しい木材をつけ足します。
底板の割れ・汚れ・反りなども検品したうえで必要に応じて交換しています。
また、オリジナルのストッパーが劣化している場合は全て新しく作り変えております。
③ 塗装のこだわり
キャビネットは、脚元の色目は濃いのに対し引き出し内部が薄めだったり角部分が濃く縁どられていたりと、アンティークらしい塗装がされていることが多いため、個性を出しつつ上品に仕上げます。
部分的に状態の悪いところ所を剥離し、できるだけオリジナルの塗装を活かしています。
本場英国と同じ仕上げにするため、マイランズ社のナイトロステインを使用。そして透明感のある美しい仕上がりのニスを塗ることで、素材を最大限に活かし本来の雰囲気を引き立てるようにしております。
ケントアンティーク家具に共通した修理ポイント
アンティーク家具を後世に残すことを目的に、世界に誇る日本の技術力と、伝統の英国材料で再現するケントクオリティの修理
Wood Work〜木工修理〜
日本の「モノ作り」の評価は世界でもトップクラスと言われています。
ケントが工場を構える静岡はその中でも家具の産地として徳川家康の時代より全国の職人が集結した「モノ作り」の聖地です。
ケントはその伝統のある静岡で家具職人を集め、若手を育てながら日本の技術を伝承しています。
新たな「モノ直し」文化を世界に向けて発信し、日本の高度な修理力を実践しています。
Paint Work〜家具の塗装・装飾金具〜
伝統と優れたモノを大切にする英国では家具を修理するマテリアルも現代に受け継がれています。
英国アンティーク家具の修理ポイントは、この時代の家具と一番相性の良い材料を選ぶ事。
ケントでは塗料からディテールの装飾金具に至るまで伝統あるイギリス製にこだわっています。それによりイギリス生まれイギリス育ちのアンティーク家具を完璧に再現し、時代の物語を秘めたアンティーク家具に仕上げています。
How to do maintenance
キャビネットのお手入れ方法
ご使用の注意点・設置場所
湿気の多い場所や直射日光のあたる場所での設置は避け、極度の乾燥を防ぐためにエアコンや暖房器具付近の設置もご注意ください。急激な温度変化や乾燥により、木の反りやわれの原因となります。
また、水平な場所に設置してください。脚部の破損の原因になる恐れがあります。
日常的なお手入れ・拭き方
通常のお手入れは柔らかい布でやさしく乾拭きしてください。
水拭きをする頻度が多い場合は、家具表面が乾いた後にこまめにワックスがけをすることをお勧めします。ワックスがけをすることで家具の艶だし効果があるだけではなく、水拭きに対する塗装の劣化を防止する効果にもつながります。
※水分が付着しそのままにしておくと白いシミの原因になりますので十分注意してください。
月1回のメンテナンス
定期的なワックスでのメンテナンスをお勧めしております。ワックスをかけることで木に潤いを艶を出し、アンティークの風合いをより楽しめます。また、ワックス膜により塗膜を保ち、乾燥による不具合を防止できます。
キャビネットのワックスのかけ方
傷がついてしまった場合
小さな傷はタッチアップペンやスクラッチカバーで目立たなくすることができます。使い方は簡単です。塗って乾かすだけです。塗るときに傷部分からはみ出さないようにご注意ください。
引き出し部分
すべりが悪く感じられたらアンティーク専用のロウを塗ってください。
金具部分
乾拭きで十分です。古い金具が使われていることがありますので、取り扱いには注意してください。
ガラスの部分
普通のガラスクリーナーでお手入れしてかまいません。しかし、化学薬品を使用する場合は木材の部分に付着しないように気をつけて行ってください。
お手入れをする際は、鏡に直接吹きかけるのではなく、いったん布にとり、鏡を磨いていただくと木材に付着する恐れがありません。また最後に乾拭きをしっかりすることをオススメします。
ガタつき・グラつきの場合
ガタつきがある場合の主な原因は家具の水平がとれていない場合に生じます。応急処置としてはガタつく隙間に何か板を入れたり、アジャスターを取り付けて各脚の高さを調整すると直ります。グラつきの場合は家具のゆるみなどから生じる揺れが原因の為、ひどい場合は家具自体の組み直しが必要となります。その場合はケントファクトリーにご相談ください。
プロの修理が必要な場合
アンティーク家具はメンテナンス品を使用して、簡易的な補修ができる家具ですが、構造的な修理が必要な場合や、購入時の状態に復元して綺麗に使用されたい場合は、ケントファクトリーへご相談ください。お客様の家具の問題やお悩みを解決いたします。
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