イギリスの街を歩いていると、郊外だけでなくロンドンでも馬に乗った人、馬車、騎馬警官や騎馬隊の姿を多く見ます。
少し田舎にいくと「馬注意!」の標識も見ることができます。
また、イギリスには気軽に乗馬を体験できる乗馬センターなど数多くあります。
日本人にとって馬とは特別な動物というイメージがありますが、
近代競馬発祥の地でもあるイギリスの人々にとって馬とは一緒に仕事をする仲間でもあります。
そんな、馬をこよなく愛する国 イギリスでは19世紀後半まで椅子のクッション材として馬毛が使われていた時代がありました。
馬毛は、羊毛や綿などクッション材として使用される他のものと比べて、とれる量が非常に少なく貴重なものでした。
そのため、高級な家具のみ馬毛は使用されていました。
馬毛をクッション材として使っていた理由は、馬毛は丈夫で長持ちするからです。半永久といっても過言ではありません。
馬毛はそのままの状態ではクッション性はありません。
馬のたてがみや尾の長い毛を縄状にねじり、高温の蒸気や熱線にあてカールさせていきます。その後、それを手でほぐしていきます。
そうすることで、ほどよいクッション性が生まれます。
馬毛を使用することは、手間と時間がかかる作業だったゆえ、ごくわずかな高級家具にしか使用できなかったことが分かります。
SDGsでも見直し!動物からとれる持続可能な資源
今では石油製品に変わり使われることはなくなってしまった馬毛ですが、
自然の資源として、馬に限らず動物からとれる資源は再注目されています。
国連の持続可能な社会へ向けての目標「SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を目指す国際社会の中で、限りある石油製品に依存することなく、動物からとれる持続可能なサスティナブル資源を使うということは見直されています。
現代に残る希少な馬毛で作られたアンティークの椅子が、後世に受け継がれていくことを願いたいです。
馬毛の購入をご希望のお客様へ
馬毛の購入を希望されるお客様はぜひケントストアへお問い合わせくださいませ。
注意)常時、在庫としてあるわけではございません。また馬毛の洗浄、天日干しなどの処理はおこなっておりません。現状のままでの販売となります。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。