これぞコレクタブルアンティーク、スピニングチェア。
アンティーク家具に携わっていると、コレクター魂というべきか探究心というかその心構えがないと務まらない仕事だとつくづく思います。 そして珍しいアイテムに出会った時・・・
2014.11.10
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アンティーク家具に携わっていると、コレクター魂というべきか探究心というかその心構えがないと務まらない仕事だとつくづく思います。
そして珍しいアイテムに出会った時、この仕事をしていて良かった!と思える瞬間が訪れるのですが、今日はまさしくそのような出会いと言えるスピニングチェアについてご紹介します。
スピニングチェア、もしくはスピナーズチェアとも呼ばれるこちらのチェア。
元々は糸紡ぎ(=スピンspin)器で作業をするときに座る小ぶりなチェアのことを指しますが、時代の変遷に従い、生活必需品から嗜好品へ、つまり、より装飾的な『飾り椅子』へと変わっていきました。起源は中世のヨーロッパ。イタリアを中心とし、ゴシックからルネッサンス期以前まで遡ります。
教会の建築様式だったゴシック様式が家具様式に取り入れられ、装飾過多ともいえる細い背もたれや家紋の装飾などを盛り込みながら変化していっ当時の教会の飾り椅子がスピニングチェアの原型であるといわれています。
また、昔、糸を紡ぐことは女性たちの大切な仕事でした。使う人がほぼ女性だったことから座高は比較的低いものが多く、作業がしやすいように、肘が背もたれにぶつからないよう背もたれは細くデザインされていたようで、こちらのチェアは”女性”をイメージしたからか、背もたれがハート型にくり貫かれていてとってもユニークです。価値のあるコレクタブルズアイテムとしてはもちろん、実用面では鉢を置いたり、ショーウィンドーにおいて商品を飾るなどのディスプレイスタンドとして重宝しそうです。